#第12回定期の記事:3件
オーストリアのヴェルター湖畔・ペルチャッハ滞在中に創られた本作は、明朗快活で伸びやかな曲想を有する。リヒター指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によって初演され、多くの聴衆から絶賛された。ベートーヴェンの《交響曲第6番『田園』》に準えて、しばしば「ブラームスの田園交響曲」とも称されたほどである。ペルチャッハでは、《ヴァイオリン協奏曲》や《ヴァイオリンソナタ第1番》も生み出されており、ブラームス……
われわれはみな音楽を必要としている。音楽なしに生きてゆくことはできないのである。本作は1801年から1802年4月にかけて主に作曲されたと言われており、1803年4月5日にウィーンにて作曲者本人の指揮で初演された。重厚さの中に、希望に満ち溢れるような明るさを感じさせる本作だが、その作曲・初演は、ベートーヴェンが聴覚の急速な喪失という困難に直面し、懊悩していた時期と重なる。では、なぜ深い絶望の中にあ……
モーツァルトにとって、オペラ(歌劇)は最も魅力的なジャンルであった。人間の感情を歌で表現することに情熱を抱いていた彼は、生涯で23編のオペラを残している。その13番目に当たる『イドメネオ』(1781)は、『フィガロの結婚』(1786)、『ドン・ジョヴァンニ』(1787)などと並んで、彼の7大オペラに数えられる。歌、演技、その伴奏から構成されるオペラは、1600年ごろにイタリアで誕生し、その後ヨーロ……