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モーツァルトにとって、オペラ(歌劇)は最も魅力的なジャンルであった。人間の感情を歌で表現することに情熱を抱いていた彼は、生涯で23編のオペラを残している。その13番目に当たる『イドメネオ』(1781)は、『フィガロの結婚』(1786)、『ドン・ジョヴァンニ』(1787)などと並んで、彼の7大オペラに数えられる。歌、演技、その伴奏から構成されるオペラは、1600年ごろにイタリアで誕生し、その後ヨーロ……
1600年前後にイタリアで誕生したオペラ(歌劇)は、17世紀半ばからヨーロッパ全体へ広がり、最も権威ある音楽ジャンルとして君臨する。この覇権はモーツァルトの生きた18世紀にまで続き、モーツァルトも熱心にこのジャンルに取り組んだ。当時よく用いられたオペラの一形態として、「オペラ・ブッファ」が挙げられる。オペラ・ブッファは、ギリシャ悲劇の復興に端を発した初期のオペラ(オペラ・セリア)の反動として、18……